
施設長の同意って、誰にどうお願いすればいいの?
そんな疑問に答えます。
この記事を書いている私は、

・資格取得前から薬局でがん患者さんと深く関わる
・取得後は資格活用・後進育成を担い、講演会や学生向け採用イベントでも専門職として話す機会が増えました
【この記事でわかること】
・申請に必要な「施設長の同意書」と、勤務や費用の相談の違い
・話が進まないときに、誰に何を相談すればよいか
・それでも難しいときの3つの選択肢と、選ぶ前に確かめること
まずは、職場に協力してほしいことをはっきりさせる
職場の理解が得られないと感じたら、まずは何について協力を得たいのかをはっきりさせてみましょう。
協力してほしいことは、主に次の3つに分けられます。
・申請に必要な「施設長の同意書」をもらえるか
・研修に行く日の勤務を調整してもらえるか
・研修費の負担など、会社の支援を受けられるか
どれについての協力かによって、相談する相手も、お願いする内容も変わります。
わたしは会社で資格取得の希望調査があったタイミングで直属の上長に相談しました。
相談したのは研修を受けるのをフォローをしてもらえるかどうかです。
わたしの勤務先の話ではありませんが、会社からの支援や同意がなく勤務外の自己研鑽として扱われたという話もあります。
時間やお金、研修の日程調整が難しくなり、取得を諦めたそうです。
研修に行く日の勤務や研修費については、「働きながら病院研修を受けるための勤務調整と費用」の記事で詳しくまとめています。
申請に必要な「施設長の同意書」とは
ここでは日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)の2026年度の申請書類をもとに説明します。
様式は年度によって変わることもあるので、申請するときはその年度の募集要項を見てください。
同意書で施設長が同意すること
APACCの新規申請の必要書類の中に「所属施設長の同意書」があります。
同意書は申請者が認定薬剤師にふさわしいと施設長が認め、認定の手続きに同意する書面です。
研修に行く日の勤務や研修費の負担については、この様式には書かれていません。
そのため同意書のことと、勤務や費用のことは分けて相談すると話が進めやすくなります。
同意書に記名・押印するのは誰か
様式では施設長を次のように記載されています。
・病院:病院長
・薬局:薬局開設者
・その他:代表取締役
同意書には所属施設名、施設長の役職と氏名、押印、日付の欄があります。
直属の上司や店舗の責任者が、そのまま様式上の施設長になるとは限りません。
最初に相談する相手と、同意書に記名・押印する人は別のこともあるので、誰にお願いすればよいかを勤務先で確かめておきましょう。
話が進まないときの相談の進め方
はじめにすべきは、社内の相談の流れに沿って相談することです。
会社によって相談の流れや関係性は違うので、自分の職場に合わせて考えてみてください。
話が進まないときは、まず理由を聞いてみてください。
理由によって、次に誰へ相談するかが変わります。
理解が得られそうなら、直属の上司から順に相談する
わたしは理解が得られそうなら、直属の上司から順に相談するほうがスムーズだと考えています。
相談するときは「同意書に記名・押印してほしい」のか、「研修に行く日の勤務を調整してほしい」のかなど、お願いしたいことを具体的に伝えると相手も判断しやすくなります。
店舗で話が進まないときは、相談先を広げることも考える
会社としては資格取得を勧めていても、店舗責任者や身近な運営責任者の理解が得られないことがあります。
そのような場合、会社の上層部に直接相談することも選択肢の1つです。
また人員不足や前例がないことが理由になっているときは、より広い立場から判断できる人に相談することも考えられます。
ただ、どちらも直属の上司を飛び越える形になることがあります。
会社の事情や社内の相談の流れ、これまでの関係性を踏まえて慎重に考えてください。
相談しても難しいときの3つの選択肢
相談しても難しいときに、わたしが考える選択肢は次の3つです。
どれも選べば必ず解決するものではありません。
それぞれ選ぶ前に確認したいポイントがあるので注意してください。
・取得の時期を延ばす:何が変われば、もう一度相談できそうか
・社内異動を相談する:異動先で、同意書や会社の支援を得られる見込みがあるか
・職場変更を検討する:転職先で、同意書や資格取得の支援を得られるか
異動や転職をしても、同意書や会社の支援が得られるとは限りません。
また異動や転職をした場合、誰が同意書に記名・押印するのか、前の職場での介入事例を申請に使えるのかは、今回確認した公式資料からは分かりませんでした。
異動や職場変更を考えるときは、申請前に日本臨床腫瘍薬学会へ問い合わせておくと安心です。
取得の時期を延ばす
今の職場ですぐに進めるのが難しいときは、取得の時期を延ばす方法があります。
何が変われば改めて相談できそうかを確かめておくと、次に動くタイミングを決めやすくなります。
社内異動を相談する
社内に資格取得に理解のある店舗や部署があれば、異動を相談する方法もあります。
相談の段階で、異動先で同意書や会社の支援を得られる見込みがあるかを確かめておきましょう。
職場変更を検討する
今の職場で取得を進めるのが難しいときは、職場変更を検討する方法もあります。
応募前や面接の場で、転職先が資格取得をどう考えているか、同意書や資格取得の支援を得られるかを確かめておきましょう。
資格を取ったあとに活かせる職場かどうかは、「資格を活かせる職場を見極めるポイント」で解説しています。
職場変更を具体的に考え始めた方は、「薬剤師向け転職サイトの選び方」もあわせて読んでみてください。
まとめ|協力してほしいことを明確にして、職場へ相談しよう
職場の理解が得られないと感じたら、何について協力してほしいのかをはっきりさせて、相談する相手を決めるところから始めてみてください。
・協力してほしいこと(同意書/研修日の勤務/研修費などの支援)を書き出す
・同意書に記名・押印する施設長と、最初に相談する相手を確かめる
・理解が得られそうなら、直属の上司から順に相談する
・それでも難しければ、時期を延ばす・社内異動・職場変更を比べる
資格取得までの全体の流れは「外来がん治療専門薬剤師を目指す10ステップ」で紹介しています。
施設長の了承は、その最初のステップです。
参考文献
- 一般社団法人日本臨床腫瘍薬学会(JASPO) 「外来がん治療認定薬剤師(APACC) 新規申請・試験」(郵送する提出書類の一覧、様式3 押印提出書類(2026年度)のうち「3-2 所属施設長の同意書」) (https://jaspo-oncology.org/apacc-apply) (取得日: 2026-10-14)