専門資格の準備 資格取得の手順

【資格取得を早く始めたほうがいい理由】調剤薬局勤務でも外来がん治療認定薬剤師は目指せる!

  1. HOME >
  2. 資格取得の手順 >
  3. 専門資格の準備 >

【資格取得を早く始めたほうがいい理由】調剤薬局勤務でも外来がん治療認定薬剤師は目指せる!

薬局勤務でも外来がん治療認定薬剤師(APACC)って目指せるのかな
今から動き出すのは、早すぎない?

そんな疑問に答えます。

 

この記事を書いている私は、

えるいち
この記事を書いている私は、
・2024年 外来がん治療専門薬剤師取得
・6年間 大手調剤薬局で薬局長・管理薬剤師として業務
・2人の子どもを育てつつ、薬局でがんの専門をとるノウハウを発信中

 

【この記事でわかること】

・基本要件と取得までに取り組む4項目(60単位・10症例提出・筆記試験・面接試験)が整理できます

・4項目の中でも特に「10症例」と「試験」が大きなハードルになる理由がわかります

・だからこそ早めに準備を始める意味がわかります

・今日から何をすればいいかがわかります

 

【結論】調剤薬局勤務でも外来がん治療認定薬剤師(APACC)は目指せる

「外来がん治療認定薬剤師(APACC)」という資格を知って興味はあるけど「病院薬剤師向けの資格なんじゃないかな」「調剤薬局勤務でとるのはむずかしそう…」と感じ、一歩を踏み出せずにいませんか?

 

先に結論をお伝えします。

APACCは病院勤務が必須の資格ではありません。

調剤薬局(保険薬局)に勤務している薬剤師でも、資格取得を目指すこと自体は可能です。

 

ただ「調剤薬局勤務であれば誰でもすぐに取得を目指せばいい」という単純な話ではありません。
まずは基本要件を満たしているかどうかを確認し、そのうえで取得までに何に取り組む必要があるのかを正しく把握しましょう。
要件は変更される可能性もあるので、最終的にはJASPOのホームページでご自身でも確認することをおすすめします。

 

この記事ではAPACC取得の全体像を整理したうえで、「資格取得はなぜ早いほうがいいのか」を取得までに必要なプロセスから整理します。
制度の網羅的な解説ではなく「今、自分は動き出すべきか」を判断できるよう解説していきます。

【APACC取得の全体像】基本要件・取得までに取り組む4項目

デスクでノートパソコンとメモを見ながら要件を確認している様子

外来がん治療認定薬剤師(APACC)取得までに必要なことは大きく分けると「基本要件」と、自身で取り組む「4項目」の2段階に整理できます。

 

まず満たしておく基本要件

基本要件は受験資格として先に満たしておく必要があるものです。次の2つが軸になります。

  • 実務経験が3年以上あること
  • 所定の生涯研修認定制度による認定薬剤師等の資格を保有していること

 

どちらも調剤薬局勤務かどうかを問わず、薬剤師として働きながら積み上げていける実績です。特定の施設に所属していないと満たせない要件ではないです。

そのうえで取り組む4項目

基本要件を満たしたあとに取り組む内容をわかりやすく次の4項目に整理します。

  1. 60単位の研修:JASPO認定のがん領域講習・研修を60単位以上修了する
  2. 10症例の提出:外来がん患者への薬学的介入事例を10例提出する(50症例以上の日々の介入経験の中からまとめる)
  3. 筆記試験:JASPOが実施する筆記試験に合格する
  4. 面接試験:事例をもとにした面接試験に合格する

 

ポイント

「10症例」はいきなり10例を新しく作るのではなく、『日常業務で経験した50症例以上の薬学的介入の中から外来がん患者への薬学的介入事例としてまとめて提出する』って考えると分かりやすいです。

 

面接試験は症例の事例審査・筆記試験に合格したあとに進む選考段階です。

JASPOの正式な要件区分としては「筆記試験・面接試験」がまとめて1つの試験プロセスとして扱われていますが、この記事では読者にとっての取り組みやすさを基準に4項目に分けて整理しています。

本当に大変な部分:4項目の中でも「10症例」と「試験」が大きなハードルになる

この4項目は、どれも同じくらいの負担というわけではありません。
わたし自身の感覚では、大きなハードルは「10症例提出」と「筆記試験」でした。

 

・60単位の研修:JASPO等が開催している研修・セミナーを計画的に受講していけば積み上げられるため、わたし自身は大きく苦戦した項目ではありませんでした

・10症例の提出:実際の患者対応・根拠を持った介入・経過確認・文章化までが必要で、短期間で一気に作れるものではありません

・筆記試験:がん薬物療法・副作用・支持療法など幅広い知識を継続して勉強する必要があり、モチベーションと勉強時間の確保が欠かせません

・面接試験:わたし自身の経験としては、10症例の作成や筆記試験ほど大きな負担とは感じませんでした

 

わたしの場合、必要な研修単位についてはおよそ1年ほどで一区切りをつけることができました。ただ症例については毎月同じペースで積み上がったわけではなく、月によって記録できる症例数にはばらつきがありました。

 

振り返って大切だったと感じるのは、
毎月一定数を確保しようと意気込むことよりも、日頃の業務の中で「今後症例としてまとめられるかもしれない患者さん」を先回りして意識しておくこと。

 

えるいち
症例集めのコツは、症例の候補になりそうな患者さんの情報をあらかじめ集めておける環境を作ることです。わたしは情報を集めておくファイルを作り、少しでも候補になりそうな症例があれば入れるようにしていました。

 

実際にわたしが最初に行ったのは、過去に対応した患者さんの記録を見直し症例として使えるものがないかを確認することでした。

ただし振り返ってみると、当時想定していたほど症例として使える記録は多くありませんでした。
介入内容について十分な根拠を示せなかったり、症例をまとめるために必要な患者情報が残っていなかったり、介入後のフォローまでできていないのが理由で症例としては使えませんでした。

 

えるいち
「対応した経験があるというだけでは、そのまま症例にはならないと実感しました」

 

今から目指すなら、過去の症例を掘り起こすことに時間をかけるより、正しい知識を身につけて日常業務で介入していく方がいいです。

・がん薬物療法や副作用対策など必要な知識を身につける。
・日常業務の中で症例になりそうな患者さんを意識して対応する。
・必要な情報を確認しつつ根拠を持って介入。
・その患者さんを継続してフォローしていく。
・関わった患者さんの情報は対応初期からとりあえずファイルに集める。
という流れの方が現実的です。

 

症例は「資格のために作る」ものというより、日々の患者対応の質を積み重ねた結果としてまとまっていくものだと感じています。

だから早めに準備する意味がある

書類やグラフを配置した曲がった道を歩む人物のイラスト

「10症例」と「試験」が大きなハードルになる理由は、どちらも一夜漬けやまとめて一気に対応できないからです。

 

10症例は日常業務の中での介入経験の積み重ねがあって初めて形になります。
試験もがん薬物療法・副作用・支持療法など幅広い範囲を継続して勉強する必要があり、直前にまとめて詰め込むのはムリです。

 

「10症例」と「試験」は思い立ってすぐにまとめて満たせるものではなく、日頃からの積み重ねが必須です。この2つを乗り越えるのに時間も労力も必要なのが「資格取得は早いほうがいい」と言われる一番の理由だと思います。

では、いつ始めるか

「早いほうがいい」といっても、「資格は早ければ早いほどいい」って単純な話ではないです。
まずは基本要件(実務経験3年以上・生涯研修認定資格)を満たしているかどうかを確認しましょう。特に生涯研修認定資格をまだ取得していない場合は、そちらが優先です。

 

わたし自身の考えとしては状態により「早い方がいい」かどうかは変わります。
薬剤師になったらすぐに専門資格の取得だけを目指すべきだとは考えていません。特に薬剤師1〜3年目ごろは特定の分野に絞り込むよりも、幅広い疾患・薬物療法・業務を経験し、薬剤師としての基礎を作ることの方が大切だと感じています。

 

わたし個人の感覚では、3〜5年目くらいから本格的に取り組み始めるのが現実的だと感じています。

 

がん領域への意欲が高く、基本要件をすでに満たせるのであれば、最短で目指す選択もアリです。

経験年数が増えると店舗管理など責任のある業務を任される機会も増えるので、症例作成と試験勉強を同時並行で進める時間は確保しにくくなっていきます。
「まだ早い」と何年も先延ばしにしている間に、薬局長・管理薬剤師・店舗責任者といった立場になり、両立がより難しくなるケースは十分にありえます。

 

「本当にがん領域を学びたい!」「APACCを取得したい!」という気持ちが自分の中ではっきりして人は、仕事上の責任が大きくなりすぎる前に準備を始めておくほうが進めやすいと思います。

今日からできる準備

3つの準備をチェックリストで確認しているイラスト

ここまでの内容を踏まえると、今日から始められる準備は主に3つあります。

  1. 基本要件を満たしているかを確認する:実務経験年数・生涯研修認定資格の取得状況を確認します。
  2. JASPO(日本臨床腫瘍薬学会)の会員情報を確認し、入会する:研修や単位取得に関する情報を得やすくなります。
  3. がん患者対応の記録を意識的に残し始める:日常業務の中で関わった患者記録を記録しておくと、将来「症例」につながる可能性が生まれ、後からの負担が減ります。

次のステップ:外来がん治療専門薬剤師(BPACC)へのロードマップ

APACCを取得した後のステップアップとして、「外来がん治療専門薬剤師(BPACC)」があります。
BPACCの取得にはAPACCの要件に加えて「実務経験5年」と「病院研修の修了」が必要です。
30日間の病院研修が必要となるため、難易度はそれぞれの環境により変わります。

 

まずはAPACC取得に向けた準備を優先しましょう。
その先の全体像まで具体的に知りたい方は、「【10ステップで完全解説】1年で外来がん治療専門薬剤師になるためのロードマップ」で取得までの流れを整理しているので、あわせて読んでみてください。

まとめ

調剤薬局勤務の薬剤師でも外来がん治療認定薬剤師(APACC)は取得できる資格です。
取得には基本要件(実務経験3年以上・生涯研修認定資格)+4項目(60単位の研修・10症例の提出・筆記試験・面接試験)を満たす必要があります。

中でも「10症例」と「試験」は日頃の積み重ねが前提になるため、がん領域に関心を持った「今」から準備を始めることが大事なポイントです。

 

・基本要件(実務経験・生涯研修認定資格)を満たしているか確認する

・JASPOの会員情報を確認し、入会する

・がん患者対応の記録を意識的に残し始める

 

まずはこのうちの一つからで構いません。今日、小さな一歩を踏み出してみてください。

 

次に何をすべきか迷ったら「【10ステップで完全解説】1年で外来がん治療専門薬剤師になるためのロードマップ」で取得までの具体的な流れも確認してみてください。

 

参考文献

  • [C1] 一般社団法人日本臨床腫瘍薬学会(JASPO) 「外来がん治療認定薬剤師(APACC) 新規申請・試験(受験資格の詳細要件)」 (https://jaspo-oncology.org/apacc-apply) (取得日: 2026-09-10)
  • この記事を書いた人

えるいち

大手調剤薬局で薬局長、管理薬剤師やってます。初責任者になったとき、元気はあるけどスキルがなくてメンタル爆死。その経験でビジネススキルやノウハウの大切さを実感。薬剤師として生き抜く情報発信してます。

-専門資格の準備, 資格取得の手順

© 2026 えるいちBlog Powered by AFFINGER5