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色んな種類の症例が見つからなくて困る
症例が被らないように注意するポイントがあったら教えて欲しい。
そんな悩みに答えます。
この記事を書いている私は、
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・6年間 大手調剤薬局で薬局長・管理薬剤師として業務
・2人の子どもを育てつつ、薬局でがんの専門をとるノウハウを発信中
【本記事の内容】
・【2、3個に抑えた方が得策】同じ副作用の症例は使えない?って疑問に答えます
・別の副作用も聞き方を変えれば発見しやすい!?視点を変えてサポートしてみよう!
・同じ症例ばかりで不安な人にオススメ、症例選びの3つのポイント
この記事では、同じような症例ばかりになってどうしたらいいかわからないって悩みを解決します。
安心して進めていきたい方、ぜひご参考ください。
【2、3個に抑えた方が得策】同じ副作用の症例は使えない?って疑問に答えます
はじめに結論から。
同じ副作用の症例は2、3個に抑えた方が得策です。
理由は「似た事例ばかりだと専門性が判断しにくい」
外来がん治療認定薬剤師の要件を例にすると、テストだけでなく症例が必要です。
症例が必要なのは知識以外の実際に適切な対応ができるかを判断するため。
なので同じ副作用の介入症例ばかりだと
「この人、この副作用以外はフォローできないの?」
って印象を査読者(症例を読む人)に与えてしまいます。
だからこそ同じ副作用の症例は2、3個に抑えた方が得策なのです。
別の副作用も聞き方を変えれば発見しやすい!?視点を変えてサポートしてみよう!
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患者さんの介入を進めて症例が増えてくると、同じような症例ばかりになることがあります。
そんな時の対策を紹介します。
別の副作用も聞き方を変えれば発見しやすい!?まずは視点を変えてみよう。
電話の服薬フォローだと長電話もしづらいので時間が限られています。
そんな中でポイントを絞って確認していくため、まずは視点を変えて聞き取りをしてみましょう。
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例えば「CapeOX +BV療法」の場合で解説します。
カペシタビン、オキサリプラチン、ベバシズマブを組み合わせたレジメンです。
定番の副作用で手足症候群とカペシタビンの服用状況を確認することが多いと思います。
ただ手足症候群の症例が3つ、4つとなると専門性が判断しきれず、症例で不合格になる可能性もあります。
解決策としては、
・オキサリプラチンでの吐き気、末梢神経障害
・ベバシズマブでの高血圧
別の薬にフォーカスして聞き取りを始めるようにしてみてください。
オキサリプラチンでの吐き気は中等度リスクですが、出る人は出ます。
介入として医師に提案もしやすいので、フォローもしやすいところから。
視点を変えて聞き取りを始めて見てください。
自分がサポートできる副作用を中心に確認をしていこう!
抗がん剤の副作用にもいろいろ種類があります。
その中でも「介入のしやすさ」は副作用の種類によって違います。
副作用の聞き取りの時、まずは自分がサポートしやすい副作用から聞き取りを始めてみましょう。
(注:サポートしにくい副作用も医師への共有は大切なので聞き取りはきちんとしましょう。)
【サポートしやすい副作用】
・手足症候群
・高血圧
・吐き気
・疼痛
・口内炎
これらの副作用は提案すべき薬や判断基準が明確なのでサポートがしやすいです。
【サポートしにくい副作用】
・末梢神経障害(効果が期待できるエビデンスのある支持薬が乏しい)
・倦怠感(デカドロンなどのステロイドが追加になるケースもあるが提案しにくい)
・食欲低下(食事量が減っていれば提案できますが具体的に提案しにくい)
聞き取る機会が多い副作用ではありますが、サポートは難しいです。
理由は、どれも提案できる薬がなかったり、根拠を持って医師への提案がしにくい。
症例を集めるだけが目的ではないですが、自分がサポートしやすいところから聞き取りをしていきましょう。
ただサポートしにくい副作用も治療上は重要な情報です。
もし聞き取った場合には程度を確認し、医師に適切に情報共有しましょう。
「今は何も起きてない」って情報も積み重なれば貴重な情報になります!
「今は何も起きてない」って情報に価値はあるのでしょうか?
結論、価値はあります。
・1ヶ月後に副作用が出てきた場合、検証のためのデータになる
・「何も起きてない」ことを評価して伝えることで患者さんとの信頼が生まれる
・副作用が出てないって情報は治療を続ける根拠になる
こんな感じでいろいろな判断材料になります。
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何かが起きた時にきちんと判断できるようにするためにも、サポートを続けてデータを蓄積していくようにしましょう。
・同じ症例ばかりで不安な人にオススメ、症例選びの3つのポイント
『同じ症例が多いのはよくないってことはわかったけど、どうすればいいかわからない…』
そんな時の対処法を3つ解説します。
まずは定番の副作用の聞き取りからスタート
介入を始めてすぐの時期は定番の副作用をしっかり確認することから始めてみてください。
・手足症候群
・高血圧
・吐き気
・疼痛
・口内炎
この辺りの副作用は医師への提案がしやすいので自信を持ってスタートすることができます。
症例集めをしてすぐは慣れずに考えることがいっぱいです。
なるべく自分自身のハードルを下げられる介入をしていくようにしましょう。
緩和は症例が書きやすいかも。でも症例数に注意!
調剤薬局で介入をする際に事例が集まりやすい症例が「緩和」です。
緩和医療の広い意味ではいろいろなケースが入ってきますが、基本的には麻薬の疼痛緩和です。
調剤薬局で麻薬を渡すケースも多いですし、在宅で緩和だけ継続するケースもあります。
・嚥下が難しくなってテープ剤への変更
・レスキューの使用回数が増えてきてドーズアップ
・麻薬による便秘に対して下剤の追加
ざっくりですがこういった介入が可能です。
ただ注意点としては学会によっては緩和症例の数を制限していることがあります。
例えば外来がん治療認定薬剤師の要件では緩和は2例までとなっています。
一度要件を確認し、積極的に介入してみましょう。
発熱の有無が重大なサポートに繋がるケースも
『発熱性好中球減少症』という致死率の高い副作用があります。
「発熱してるけど病院行くほどでもないか」、と放置されてしまうと命の危険が伴う可能性があります。
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レボフロキサシンが頓服で出ている場合は発熱性好中球減少症の初期対応のためだったりします。
ただ私が経験した事例で、発熱しているのに抗生剤を飲んでなかったケースも。
当日の受診勧奨につながることもあるので意識して確認してみてください。
繰り返しの結論ですが、同じ症例は2、3個くらいに抑えましょう。
知識やアプローチの仕方が変わればいろんな種類の症例が集まります。
少しずつ積み上げていきましょう。