・店舗の管理の仕事を考えると専門薬剤師になる余力が残ってない
・子育て、家事、保育園の送り迎えにプラス専門薬剤師ってしんどそう…
・専門薬剤師にはなりたいけど、メンタルがもつか不安だな
こんな悩みにこたえます。
私は2021年から外来がん治療専門薬剤師の取得に向けて取り組んでいます。
「1年で専門とるぞ!」とノープランで意気込んでしんどくなりました。
今回はそんな経験から優先順位を考えるべきって解説をします。
外来がん治療専門薬剤師になるのに優先順位を考えておかないとしんどいです。
がんばりすぎてメンタルも体もボロボロ…ってなると本末転倒。
すこしでも不安があるならムリなスケジュールになってないかチェックしてみてください。
※今回の記事は筆者の体験レポート形式の記事です。主観が多くて参考にならない方もいると思うので息抜き程度に読んでもらえるとうれしいです。
この記事では、私の実体験から優先順位を考えずに目標立てるとしんどかった話をお伝えします。
外来がん治療専門薬剤師の取得でボロボロにならないための注意点がわかるかも。
いろんなことに忙しくて不安だなぁって感じていたら参考にしてください。
【体験談】「今年、外来がん治療専門薬剤師になるぞ!」と無計画にいった結果
外来がん治療専門薬剤師を2022年1月に目指しはじめて取り組みをスタート。
この時点では「2023年12月の試験で受かって1年で専門薬剤師になろう!」と根拠なく目標を立てました。
約1年で専門をとる!と無知のまま目標を立ててしまったのです。
このなんとなくが夏のしんどい1ヶ月の原因だとはこの時は思っていませんでした。
その時の私の状態はというと…
・大手チェーン調剤薬局勤務
・スタッフ10人越えの店舗のマネジメント(薬局長&管理薬剤師)
・子ども2人(未就学児)のお父さん
・地域薬剤師会の理事
・学校薬剤師
・実務実習指導薬剤師(その年が2期1人ずつ振り分け。半年は実習生がいる感じ。)
加えて、
・コロナ禍で処方箋枚数が減って会社が大パニックになっており仕事爆増
・コロナ6波〜7波で各店スタッフが自宅療養になる中、人員調整に大奮闘&スタッフ不足
…書きつつ改めて思いますが、これにプラスで半年で勉強して、症例集めてって……無理ゲーでした。
ともあれ当時は、
情報を集めつつ、勉強をしつつ、症例を集めつつ、外来や管理業務を今まで通りしつつ…
今までの仕事を今まで以上にしながら専門薬剤師の取り組み。
正直、体力も気力も限界の夏でした。
そこでふと思ったのです。
「なんでこんなに慌ててしんどがってるんだろう?」
このちょっとした疑問がターニングポイントでした。
そもそも大切なものは別にあった。普段の仕事プラス専門薬剤師がどのくらいしんどいか
外来がん治療専門薬剤師は会社の支援制度が新しくできたのがきっかけで目指しはじめました。
金額的な支援もですが、店舗から研修とかで抜けやすくなるかなってのが一番の理由。
研修費とかセミナー費も出してくれるならラッキーくらいの軽い気持ちでスタートしました。
1〜3月くらいまでは少しずつ勉強しながら社内の研修などに参加。
管理職としては、診療報酬改定の準備や次の新入社員の準備などに追われてました。
疲れが出始めた4〜6月頃に社内の研修が週1回になり、スケジュールと体力がきつくなってくる。
その後、7、8月。
試験の申請が8月末で、10症例も一緒に出さないといけないと知り、症例を書くために電話をかけまくる。
通常の仕事プラス症例集めをゴリゴリした結果、1ヶ月で体力が限界に。
正直コロナの処方枚数減のせいで通常の仕事が増えたこともありましたが、介入症例なんて2、3ヶ月ですんなり集まるものじゃないです。
やることが山積みになったのと、思ったように進まないストレスでしんどさはMAXになっていました。
取り組み開始、半年。
8月末の私の心の声はこんな感じ。
「無理じゃあぁぁぁぁぁああああぁぁあぁ!!!!」
「勉強のために寝不足でイライラ」「症例を書くための残業で家族で会えない平日」…なんだかおかしくないか?
外来がん治療専門薬剤師の取り組みを始めて半年。
結構ボロボロでした。
がん関係のセミナーや症例集めのための電話フォローでスケジュールがパンパン。
隙間なく働いて、症例書くために残業。
早朝や休みの日にも専門書で勉強。
精神的にも、体力的にも無理が見えてきていました。
子どもたちの小さなケンカにもイライラしてすぐ怒ってしまったり…
「なんでこんなに疲れることをしてるんだろう…」
ふとそう思ったのが見返しのキッカケでした。
そもそも生活を良くするために始めたことじゃないか!
自分の成長や生活費、家族との生活を充実させるためにスタートした専門薬剤師への道。
目的と手段が変わってしまっていることに気づきました。
「家族の時間や楽しさを優先できるスケジュールに組み直さないと!」
人生の優先順位を見直して、再スタートさせることにしました。
【プライベートを大切に】ムリなく外来がん治療専門薬剤師になるための優先順位とは
ノー根拠のしんどさを経験した結果、たどり着いたポイント。
3つとも当たり前のことですが、取り組んでいた時の自分は気付かぬままでした。
同じしんどさでボロボロにならないよう参考いただければ。
むりはよくない
結論から言ってしまいます。
「むりはよくない」です。
専門薬剤師への道をカンペキなプランで進めるのは不可能。
・介入できる症例がなかなかない。
・薬局のスタッフの数など、コントロールできない忙しさに襲われる。
・介入はできたけど、調べてみると症例としては使いにくい事例。(標準治療でなかったり、根拠が弱かったり)
目標のために1年計画でスケジュールを組むのはいいですが、進み具合で柔軟に変えた方がいいです。
そうでないとスケジュールの進みがプレッシャーとなり精神的な負担が大きくなります。
「むりはよくない」
スタートから心に余裕を持てるように無理しないメンタリティーで始めるのが大事です。
結論、外来がん治療専門薬剤師って手段であって目的ではないよね
立ち止まって考え直して気づいたこと
「外来がん治療専門薬剤師の資格は“結果・手段“であって、“目的“ではない」
資格取得のためにゴリゴリ電話をかけて、聞き取りをするのは違う。
あくまで患者さんのために専門性を高めて、結果として資格が認められる。
そう思うようになってから気持ちがラクになり、焦りがなくなりました。
再スタート、プライベート重視のちょうどいいバランスを追求すると
・最優先、大事なのは『家族』
・患者さんのために専門性を高めていく
この2つに気づいてから、再スタート。
ようやく本当のスタート地点に立った気持ちでした。
外来がん治療専門薬剤師に限らず、人生を充実させるための手段であって目的ではないはずです。
まずは何を人生の優先順位のトップにするかを考えることが重要なのです。
家族とプライベートの大切さに気づいたら優先順位なんて考えるまでもなかった
何が大切か。
どうして専門資格を取るのか。
改めて理由を考えてみたら、わたしの大切なものは「家族の時間」でした。
正直、何が一番大切かを考えたら優先順位は勝手に決まってました。
家族の時間が大切。
その上で今、自分を信頼してくれている患者さんをより安心させられるようになりたい。
化学療法が多い病院の門前だからこそ「外来がん治療専門薬剤師」を目指したのでした。
100%以上の力で取り組んで、バテてしまった時には見えなくなっていたこと。
立ち止まって見返したら答えはすんなり出てくるものです。
まとめ
外来がん治療専門薬剤師に限らず、専門への取り組みはしんどいです。
普段していた以上の知識や能力が求められる上に、普段の仕事はそのまま据え置き。
プラスアルファで時間と体力を使わないといけません。
どういう人生にしていきたいのか。
人生の優先順位が整理できていないとプレッシャーとして生活が乱れる原因に。
あくまでも目的は生活の充実や患者さんの治療の安心感を高めることのはず。
プライベートの悪影響にならないよう。
大事なものを見極めて無理なく進めていきましょう。