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働きながら病院研修を受けられるのか? がん領域の専門資格を目指す薬局薬剤師が事前に確認すべきこと

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働きながら病院研修を受けられるのか? がん領域の専門資格を目指す薬局薬剤師が事前に確認すべきこと

外来がん治療専門薬剤師(BPACC)を目指したいけど、病院研修があるみたい
調剤薬局で働いてる自分でも受けられるのかな…?

そんな疑問に答えます。

 

この記事を書いている私は、

えるいち
・2024年 外来がん治療専門薬剤師取得
・9年間 大手調剤薬局で薬局長・管理薬剤師として業務
・2人の子どもを育てつつ、薬局でがんの専門をとるノウハウを発信中

 

【この記事でわかること】

・病院研修(がん診療病院連携研修)は薬局勤務の薬剤師も対象になのか

・研修施設に応募する前に確認しておきたいこと

・働きながら受けるために、勤務先へ確認・相談しておきたいこと

・わたしが実際に働きながら研修を受けたときの進め方

 

【結論】薬局勤務も対象!でも働きながら受けられるかは環境次第

外来がん治療専門薬剤師(BPACC)を目指す上で避けて通れないのが、「がん診療病院連携研修」という病院研修です。

「病院に勤めていない自分でも受けられるのか」
「今の仕事を続けながら参加できるのか」
この記事ではそんな不安に答えていきます。

 

先に結論からお伝えします。

 

がん診療病院連携研修は、薬局に勤務する薬剤師も対象です。
薬局勤務でも研修は受けられます。
外来がん治療認定薬剤師(APACC)にはこの病院研修の要件はなく、BPACC取得のために必要な研修です。

 

ただし実際に働きながら研修に参加できるかどうかは、研修施設の日程と勤務先の支援体制によって変わります。誰でも同じ条件で受けられる、とはなりません。

 

そのため応募する前に研修施設と勤務先の両方へ確認しておくべきことがあります。
この記事では、その確認事項を中心に整理していきます。

 

まだAPACCの取得に不安がある方は、「調剤薬局勤務でもAPACC(外来がん治療認定薬剤師)は目指せる。資格取得を早く始めたほうがいい理由」もあわせて読んでみてください。

最初に知っておきたい がん診療病院連携研修の最低限の仕組み

がん診療病院連携研修は、JASPO(日本臨床腫瘍薬学会)が主催の研修です。
主に薬局勤務の会員を対象として、専門的な薬学管理+医療機関と連携して対応できるスキルが習得できるようにすることが目的です。

 

BPACC(外来がん治療専門薬剤師)の申請には「がん診療病院連携研修を修了している」または「病院での勤務歴によって研修を修了したとみなす認証を受けている」ことが必要です。
薬局勤務の薬剤師が対象になるのが「がん診療病院連携研修を修了している」です。

 

まずは必要な研修の仕組みを簡単に解説します。
(2026年度第1期募集要項の例)

 

研修では全30単位を、研修開始から1年以内に修得する必要があります。
1単位は研修病院での1日、0.5単位は半日で、半日未満は単位に数えられません。
通常は30日間を週1回や毎日研修先に行くスケジュールで進めることが多いです。

 

費用は2026年度時点で148,500円(税込)。
(研修病院納付110,000円・学会事務経費27,500円・システム利用料11,000円)
この金額は年度によって変わる可能性があるため、応募時にはJASPO公式の最新募集要項を確認してください。

 

研修が終わったら、研修記録をJASPOへ提出して修了報告。
JASPOが適切な修了と認定すれば修了証書が交付されます。
修了証の発行には時間がかかり、研修者向けのページでは「約1か月」、BPACC申請ページでは「2か月程度」と、公式サイトの中でもページによって記載が異なっています。どちらが正しいと決めつけず、発行には時間がかかるものと考えて、BPACC申請の期限から逆算して余裕を持って計画しておくのが安心です。

 

BPACC制度全体の取得順序や、APACCとの関係についてさらに詳しく知りたい方は、「【10ステップで完全解説】1年で外来がん治療専門薬剤師になるためのロードマップ」で整理しているので、あわせて読んでみてください。

研修施設へ応募する前に確認すべきこと

研修の時期や形態は、研修施設によって異なります。
同じ「がん診療病院連携研修」でも施設ごとに条件が違うため一律に説明できません。

 

応募する前に次のような点を研修施設へ確認しておくと安心です。

 

・研修の曜日・頻度・開始時期

・週1回、連日、その他どんな実施形式か

・日程変更や頻度の相談ができるか

・通勤距離、交通費、宿泊が必要になるか

・経験できる診療科・がん種

・指導薬剤師へ相談しやすい環境か

・研修後も薬薬連携を続けやすい施設か

 

ただJASPOからの募集の際に病院のリストが添付されており、その中で研修の頻度や開始時期が書かれています。日程相談可能かを書いてくれている施設もあります。
距離などは住所から判断できますので事前に自身でも調べられます。

施設一覧の中から自分が実際に通える日程の施設を選んで応募することが大切です。

社会に出て30日間も集中して研修し、勉強のためだけに時間を使える機会は貴重です。
「近いから」「有名だから」だけで決めず、上記のような点も含めて比較検討してみてください。

勤務先へ事前に相談・確認すべきこと

研修参加のための休暇の扱いや費用負担、日程調整はJASPO(学会側)が決めているものではありません。勤務先(調剤薬局)の就業規則や上司との相談によって決まる事項です。

 

働きながら研修を受けるなら、次のような点を勤務先へ確認・相談しておきましょう。

 

・研修期間中に店舗を抜けても運営できるか

・人員フォローを受けられるか

・研修日が出勤・有給休暇・公休・自己研鑽のどの扱いになるか

・研修費用を会社が負担するか

・交通費・宿泊費の扱い

・会議、報告期限、面談、薬局内研修など既存業務の日程調整

・シフトを作成する上司や責任者へ、どの段階で相談するか

 

これらは会社や店舗によって対応が異なります。次の章で、わたし自身が実際にどう進めたかをお伝えします。

わたしが働きながら研修を受けたときの進め方と反省点

ここからは、わたしが実際に働きながら研修を受けたときの進め方をお伝えします。
あくまでわたしの場合の話であり、制度として決まっていることではありません。

 

勤務先への相談

研修施設の募集が始まった段階で上司へ相談しました。
自分が研修で勤務を抜けても店舗が回るか、他店舗やスタッフからどの程度フォローを受けられるかを確認しました。

 

研修施設によって募集時期が異なるため勤務調整が可能な時期かどうかも含めて、候補から外すべき施設がないかも一緒に考えました。

 

研修日の勤務扱いと費用

わたしの場合、研修日は出勤扱いでした。研修費用も会社負担でした。

 

えるいち
「交通費・宿泊費が必要になる遠方の施設は、負担が大きいので応募候補から外しました」

 

遠方でも希望する施設へ行く場合は、交通費・宿泊費が自己負担になる可能性が高いのであわせて検討してみてください。

 

研修日程

わたしは研修施設と相談し、週3回の研修にしてもらいました。研修日以外は、いつもどおり店舗で勤務しました。

 

店舗で患者さんへの介入を続けながら研修できたので、症例を集めるうえでも進めやすかったです。

 

ただし週1回または連日で実施している施設が多い印象があり、週3回のように調整できる施設は多くありません。すべての施設で研修頻度を相談できるわけではない、という点は知っておいてください。

 

研修施設を選んだ理由

わたしが研修施設を選んだ理由は、次のような点でした。

 

・勤務先から最も近い施設だった

・研修後も連携しやすいと考えた

・知り合いの薬剤師が指導者で、相談しやすかった

・血液内科を含め、ほぼすべてのがん種を経験でき、学習しやすい環境だと事前に把握していた

 

事前準備で足りなかったこと

正直に振り返ると、準備が足りなかった部分もあります。

 

薬局長だったので研修と並行して、店舗スタッフとの面談や薬局内研修などの管理業務もありました。
研修が始まったあとも通常業務を確認・調整しながら進めたため、想定どおりの進捗にならず、体力的な負担が増えてしまいました。

 

えるいち
「事前に研修期間中の店舗業務と管理業務を洗い出しておけばよかったと感じています」

 

店舗スタッフへ事前に準備や役割分担を依頼しておけば、研修に使える体力と集中力をもっと確保しやすかったと思います。

 

会社・上司・店舗から受けた支援

一方で、周囲から受けた支援もたくさんありました。

 

・会社が研修期間中の社内報告期限を延長してくれた。
・会社の会議と研修日が重なった際も、日程を調整してもらえた。
・上司と学術系部署のスタッフも、親身に相談に対応してくれた。
・店舗スタッフも研修に理解を示し、シフト調整などで配慮してくれた。

 

わたしは責任者としてシフトを組む立場だったため、周囲に助けてもらった実感が特に強くあります。
一般スタッフの立場で参加する場合は、シフトを作成する上司へ早めに相談しておくと支援を受けやすいです。

 

ここで一つお伝えしておきたいのは、勤務先の支援内容は会社や店舗によって差があるということです。
わたしの周囲や見聞きした範囲では、出勤扱い・会社負担になったケースが多い印象がありますが、これは企業の規模だけで決まるものではありません。
必ずご自身の勤務先へ直接確認してください。

応募前チェックリスト|今日から確認すること

ここまでの内容を、3つのチェックリストにまとめます。

 

1. 自分自身で確認すること

・APACC認定の取得状況、またはAPACC認定試験の合格状況

・BPACC申請に必要な実務経験年数を満たしているか

・研修に参加できそうな時期・頻度の見通し

・研修費用・交通費・宿泊費の総額と、勤務先の補助を含めた自己負担額

・自己負担が発生する場合、どこまで負担できるか

 

自分の状況を整理できたら、次は研修施設です。

 

2. 研修施設へ確認すること

・研修の曜日・頻度・開始時期

・実施形式(週1回・連日など)、日程変更の相談可否

・通勤距離、交通費・宿泊の必要性

・経験できる診療科・がん種、指導薬剤師への相談しやすさ

 

最後に、勤務先にも確認しておきましょう。

 

3. 勤務先へ確認すること

・研修期間中の店舗運営・人員フォローの可否

・研修日の勤務扱い(出勤/有給/公休/自己研鑽)

・研修費用・交通費・宿泊費の負担

・既存業務との日程調整、相談すべき相手・タイミング

 

がん診療病院連携研修は、薬局に勤務する薬剤師にも開かれた制度です。
ただし、実際に働きながら受けられるかどうかは、研修施設の日程と勤務先の支援体制次第で変わってきます。

 

まずは今日、上記のチェックリストを1つずつ確認するところから始めてみてください。

 

病院研修は、BPACC取得までの1つのステップに過ぎません。資格取得全体の流れをあらためて確認したい方は、「【10ステップで完全解説】1年で外来がん治療専門薬剤師になるためのロードマップ」もあわせて読んでみてください。

 

BPACC取得後にキャリアがどう変わるかは、「外来がん治療認定薬剤師を取得すると、調剤薬局でのキャリアはどう変わるか」でまとめているので、気になる方はあわせて読んでみてください。

参考文献

  • この記事を書いた人

えるいち

大手調剤薬局で薬局長、管理薬剤師やってます。初責任者になったとき、元気はあるけどスキルがなくてメンタル爆死。その経験でビジネススキルやノウハウの大切さを実感。薬剤師として生き抜く情報発信してます。

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