そんな悩みに答えます。
【この記事でわかること】
・【とったら書く】薬歴に加算のことを書くべき理由
・薬歴に加算のことを書くコツ→パターンを覚えて時短しよう
・薬歴に加算のことまで書いてたら残業になる!?(むしろ早くなる3つの理由を解説します)
この記事を書いているボクは、調剤薬局で9年勤めてる薬剤師。
管理薬剤師歴は4年ほど。薬局長や薬剤師会の理事なんかもしています。
若手薬剤師の「いまさら聞いていいの?」って疑問を解決するためのブログを執筆。
仕事が多すぎて100時間の残業、深夜に薬歴書く毎日→薬歴を速く仕上げて残業0に。
こんな背景から解説していきます。
【とったら書く】薬歴に加算のことを書くべき理由
結論をいいますが、薬歴には加算のことを書くべきです。
なぜなら、保険請求上の根拠になるから。
加算の算定要件には「薬剤師が必要性を判断」って書いてあることがほとんどです。
「薬剤師が必要性を判断」= 必要だと思ったんなら薬歴に書いてね
ってことです。
どの加算でも細かく書かないといけないの?
薬歴に必要だと思った理由を書かないといけない代表的なのは
- 一包化加算
- 自家製剤加算
- 特定薬剤管理指導加算1(ハイリスク)
- 乳幼児加算
- 麻薬指導加算
書くべきパターンが決まってるのはこのあたりです。
もちろん、他の加算も「なにをしたか」は書かないといけません。
ただ、定型文にしにくいので個別で書く方がラクです。
例えば、
服薬情報等提供料→どんな問い合わせ?どんな指導をした?
ってことをまとめます。
患者さんによって書くことが変わる加算はパターン化しにくい。
まずはパターンが決まってるものから慣れていきましょう。
一つずつ書いてたら大変じゃない?って気になりますよね。
安心してください。
算定した加算についての文章は定型文で大丈夫です。
特に一包化や粉砕なんかは更新さえしていれば全て同じ文章でOK。
薬歴の便利機能やパソコンの辞書機能を活用すれば時短も可能です。
薬歴を速く書きたい人はコチラの記事もどうぞ
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薬歴を速く書く2つの方法→結論はより速く、より短くの2パターン
薬歴を速く書く方法が知りたい!こんな悩みに答えます。薬歴は「より速く、より短く」書けるものを秒速で片付けてしまうのが正解です。速く書くためのテンプレート活用や時短テクを紹介します。薬歴がなかなか片付かず残業続きの人、ぜひ読んでください。
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薬歴に加算のことを書くコツ→パターンを覚えて時短しよう
薬歴に書かないといけない加算の中にはパターンで解決できるものがあります。
今回はパターンで時短できる加算を5つ紹介します。
一包化加算
一包化加算は、なぜ一包化が必要だったかの理由が必要です。
手指が不自由で服用困難なため、必要性を確認し一包化
高齢により多剤服用での飲み間違いリスクがあるため一包化
こんな感じで保険上はOKです。
更新されてるかも重要。
半年に1回くらいは必要そうか確認をして日付を更新しましょう。
自家製剤加算
自家製剤加算は、なにをしたのかが必要なことが多いです。
細かい内容は地域によって違いますが、
「Aをこういう形にして交付した」
という内容があれば大丈夫です。
自家製剤加算はそもそも、
市販で対応できない薬を作り出したときに算定します。
錠剤→散剤
散剤→(無菌で溶かして)点眼薬
こういった剤形が変わり、かつ作った薬と同じものが市販されてない時に算定できます。
薬剤にこういう薬の加工をしました
って内容をまとめて書きましょう。
特定薬剤管理指導加算1
システムで定番の文章が登録されてる場合も多いです。
それがない場合は定番どころのテンプレートを作っておきましょう。
糖尿病治療薬
- HbA1cの数値
- 低血糖の対処法(低血糖の頻度、程度、ブドウ糖の使用有無)
- シックデイの対処法
抗凝固薬
- PT-INR
- 出血傾向の有無
- ビタミンK含有食品の有無(ワーファリン)
抗がん薬
- 服用期間、休薬期間
- 消化器症状(悪心、嘔吐、食欲低下など)
- 骨髄抑制(発熱、血球数、出血傾向など)
それぞれ3つずつくらい定番があると便利です。
どういった薬がハイリスクなのか、ややこしい場合はコチラを参考にどうぞ
参考資料:ハイリスク ガイドライン
(日本薬剤師会ホームページより引用)
乳幼児加算
乳幼児加算を算定した時のポイントは2つ。
・体重
・乳幼児ならでは指導
この2つを書きましょう。
体重はもともと薬歴システムで書く場所が決まってることが多いです。
場所があればそこに記録しましょう。
乳幼児ならではの指導は、
散剤:粉が飲みにくい場合、水やジュースに溶かしてください。
ヨーグルトやアイスに混ぜて食べさせるのも有効です。
こういった大人と違う飲み方の工夫を説明し、薬歴に残してください。
麻薬指導加算
麻薬指導加算は交付した時と、電話フォローした時のどちらも薬歴に残す必要があります。
14日未満の処方だと電話不要だったりしますが、実施したら薬歴に残しましょう。
書く内容としては、
- 麻薬の服用状況
- 残薬状況
- 保管状況
- 鎮痛効果、副作用についての確認
この項目が確認できていればOKです。
テンプレート化しておくと、聞き漏らしもないので安心です。
交付も電話フォローも基本は同じでOK。
他に聞いたことを書き加えれば時間もほとんどかからず記録できます。
麻薬も怖がらず、事前の準備を整えて対応してみてください。
薬歴にいろいろ書くことが増えると仕事が終わらなくなるんじゃないか?
そんな不安が出てきませんか。
加算をとったら残さないといけないですが、事前になにを書くか決めておくことで仕事が早くなったりします。
薬歴に書くべきことが明確になる→処理スピードアップ!
薬歴が遅くなる理由に、判断が増えるってのがあります。
「これって書いた方がいいのかな?どう書けばいいんだ?」
こんなことを考えながら書いているだけで消耗します。
加算なんかのテンプレートにできるものは事前に「こう書く!」ってのを決めておくと処理のスピードがアップします。
薬歴を速くしたい方はコチラの記事も参考にしてみてください。
判断が減ると薬歴を書くの速くなるってのも解説してます。
参考記事:薬歴を速く書く2つの方法→結論はより速く、より短くの2パターン
薬歴を書く手順がパターン化できる
薬歴をどの手順で書いていくかをパターン化すると、仕事のスピードが上がります。
薬歴って書くことが多くて、結構時間がかかりますよね。
患者さんの話から指導内容をどういう順で書いていくか。
順番が決まっていると時間のロスが減るので、結果処理スピードが上がります。
1枚10秒の時短でも、40枚書くとなると7分くらい時間を節約できます。
積み重なると大きいですね。
個別指導後の、ムダにめちゃくちゃしんどい仕事が減る
個別指導での指摘が減る、ってのも意外と効果的です。
個別指導が終わった後の返戻の計算や申請ってめちゃくちゃムダでしんどいです。
算定した加算のことを薬歴に残していると指摘や返戻が減ります。
個別指導が終わった後、どのくらいの件数加算をとっていて、どのくらいの件数返さないといけないか自分達で計算して返戻します。
例えば50件中10件は記載漏れしていて、この加算を月に500件とってるとすると
10/50×500×12ヶ月=1200件分
1200件分の加算点数を返戻します。
指摘が多いと時間もかかりますし、返すお金も増えます。
頻度は数年に1回くらいしかありませんが、業務量が多くて負担が大きいのでできるだけ避けていきましょう。
まとめ
加算を算定したら薬歴に書かないといけません。
省エネで薬歴を片付け、体力と時間をロスしないよう、パターン化して時短していきましょう。
参考記事