これからのかかりつけ薬剤師

苦労して「かかりつけ薬剤師の同意取得」をするのはもうやめましょう。

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苦労して「かかりつけ薬剤師の同意取得」をするのはもうやめましょう。

【会社で消耗する薬剤師】
かかりつけ薬剤師の同意のノルマがツラくてしかたない。そもそも、かかりつけ薬剤師ってなんなんだろう。魅力的なかかりつけ薬剤師になりたいけど、何をすればいいかわからない。

 

そんな悩みに答えます。

【結果の提示】
・【理由】苦労して「かかりつけ薬剤師の取得」をするのはもうやめましょう。
・かかりつけ薬剤師の同意取得よりもまずすべきこと。
・これからのかかりつけ薬剤師はどうあるべきか。【結論=個人の魅力を磨きましょう。】

 

この記事を書いているぼくは、9年目の管理薬剤師。大手調剤薬局での消耗にうんざりして、穏やかで自由なライフプランを求めて奮闘中。会社の中でくるしむ若手薬剤師さんのサポートのための情報発信をしています。

 

【理由】苦労して「かかりつけ薬剤師の同意取得」をするのはもうやめましょう。

先に言っておきますがこの記事は、「かかりつけ薬剤師」を否定するものではありません。

むしろ患者さんの医療のクオリティが上がるかかりつけ薬剤師は大賛成です。

 

今回の結論としては、「かかりつけ薬剤師の取得だけが目的にならないようにしよう。」ってことです。

 

理由は薬剤師としての考え方が希薄になってくるからです。

 

「かかりつけ薬剤師の同意取得」をゴリ押しする働き方に慣れてくるとそれが当たり前になってきたりします。

 

最近、売り上げを上げるために「かかりつけ薬剤師の同意取得」をノルマにする会社が増えてます。

この方針をやめた方がいい具体的な理由としては

・薬剤師としてのモチベーションがあがらなくなる。
・患者さんへの服薬指導の内容が薄くなってくる。
・今後の自分の働く幅が狭くなる。

 

極端な言い方のようですが、けっこう本質だったりします。

 

薬剤師としてのモチベーションがあがらなくなる

大きめの調剤薬局に勤めている場合、会社としての考え方を求められることが多いです。

薬剤師と会社員の考え方はバランスがむずかしいです。

薬剤師として患者さん主体で考えると効率とか利益のわりに合わない場面も。

会社員としての効率重視になってくると患者さん主体のトラブル解決にやりがいを感じなくなります。

 

「かかりつけ薬剤師の同意取得」のノルマ達成に意識がいきるすぎると薬剤師としてのやりがいが薄れていきます

 

例としてはわたしの実体験ですが、

 

大手調剤薬局に勤めている同期から「残薬調節や在宅、患者問い合わせなどのコスパの悪い仕事はしたくない。」って発言が出たことがあります。

そんな中、小さめの薬局で在宅に力を入れている友人の返事は「でも長い目で見て患者さんが良くなってくるのがわかるから、そういう仕事の方がしたい。」

 

会社員の考え方か薬剤師の考え方。

すごく極端なケースではありましたが、ノルマを重視しすぎる仕事の仕方だと思考が利益やコストに偏ってしまいます。

 

薬剤師として、患者さんのためにがんばろうってモチベーションが下がってきます。

ノルマにむかってがんばって、モチベーションが下がる。

これだと本末転倒です。

 

薬剤師の仕事では、患者さんへの貢献を目標にしないとやりがいは手に入りません。

ノルマの目的がどこに向いているかでモチベーションは変わります。

 

患者さんへの服薬指導の内容が薄くなってくる。

あなたの薬の知識は豊富ですか?

 

この質問で「誰よりも知識あります!」って方はこの部分は読まなくても大丈夫。

かかりつけの同意をとっても、良いサポートが実現できます。

 

ただ、薬の知識はけっこう不安って方。

会社に言われるままにかかりつけの同意を取得するとしんどくなります。

 

理由は治療に関して多様なプロブレムを考えられず、毎回の投薬がキツくなってくるからです。

患者さんの薬が1年ほど変わらずに同じ薬を飲み続けることはよくあります。

検査値も体調も安定。

この中で「プロブレム」を見つけて毎回情報提供するのは大変です。

 

もともとコミュニケーションが取れてからかかりつけの同意取得をした場合には患者さんからの情報が多いのでプロブレムを見つけやすい。

でもあまり知らない患者さんのかかりつけの同意をとると情報が少ないです。

 

ノルマのための同意取得だと、投薬がしんどい、患者さんと話すのが辛いとなる可能性もあります。

仕事自体がツラくなる可能性もあるので要注意です。

 

今後の自分の働く幅が狭くなる。

転職サイトでよく紹介されている薬剤師の転職率は「40歳までに34回の転職が一般的」

 

人間関係のトラブルやMA後の経営があわないなど、色んな理由で転職の選択肢は出てきます。

薬剤師だとまだまだ転職はしやすいので、あなたにも将来転職する機会があるかもしれません。

 

「加算とかの件数を上げる努力はできるけど、薬の知識に乏しい。」

薬剤師としてこういう状態だと、薬剤師としての活躍の場が減ります

 

地域密着型の中小調剤薬局だと個人のスキルが重要になってきます。

そんな中で薬剤師としてのベースが薄いとけっこうしんどいです。

 

先を見据えたスキルを上げる意味でもノルマをクリアするだけのスキルは活かしづらい。

どこでも働ける薬剤師になるためにも、目標クリアのためだけの同意取得はやめた方がいいです。

 

かかりつけ薬剤師の同意取得よりもまずすべきこと。

かかりつけ薬剤師には価値があります。

賛否はありますが、患者さんの立場から見ればメリットのある制度です。

かかりつけ薬剤師の最大のメリットは、

「ひとりの薬剤師が把握してる情報を使って、細やかに気配り、サポートできる」

ということです。

 

心理学用語に「ザイオンス効果」というものがあります。

別名:「単純接触効果」とも言います。

ザイオンス効果は簡単にいうと何度も会ってると好感度が上がってくる効果です。

 

普段よく使うコンビニの店員さんと会話がなくても親しくなってくる。

そんな感じの状態を心理学ではそう言います。

 

かかりつけ薬剤師の効果はこの「ザイオンス効果」がかなり効いてきます。

そういう意味でもあまり親しくなくても、かかりつけ薬剤師を勧めて同意を取るのはメリットがあります。

 

では、かかりつけの同意取得をがんばる前にすべきことは何か。

それは「薬剤師力、人間力のベースアップ」です。

 

急はワードではありますが、この「薬剤師力、人間力のベースアップ」がかなり重要です。

 

接する機会を増やして、親しくなって、かかりつけ薬剤師の同意をしてもらう。

その後、肝心の薬剤師としての能力や人としての気配りが足らないと他の薬局に行ってしまうかも。

こうなるとかかりつけ薬剤師としての役割が果たせなくなります。

 

薬剤師力のアップ

薬剤師力としては、

・薬の基礎知識
・病態の基礎知識
・検査値の基礎知識
・近くの病院の情報
・最近の医療情報

 

この辺りを強化していくと患者さんとの話のバリエーションが増えます。

患者さんはこまかい作用機序より基本的な知識を必要としていることが多いです。

 

範囲が広すぎて何からしていいかわからない人にオススメなのは

・かかりつけの患者さんの薬の情報を見直す。
Twitterで薬剤師の人をフォローする。

 

この2つをするだけでだいぶ情報が増えます。

しかも効率的に。

 

この2つの情報収集で不意な質問にも、ある程度答えられます。

こまかくは調べて答えればいいだけ。

全く答えられず調べるのと大きく違います。

まずは薬剤師として、基礎知識の強化です。

 

人間力のアップ

「人間力のアップとか必要なくない?だって、人間だもの。」

 

かかりつけ薬剤師の同意取得には関係がないように思うかもです。

ですが、人として好かれなければ大事な相談はしてもらえません。

 

例えば、美容室。

あまり好きになれない美容師さんに枝毛や薄毛のなやみを打ち明けますか?

 

話にあいずちをうってくれたり、ちょっとした気配りがあるとだんだん信頼できます。

信頼できる人だと「実は」となやみが言えるようになります。

 

仕事でも一方的に業務を振ってくる上司には

「こっちの大変さもまったくわからず、ムリばっかり言いやがって!」

って気分になりますよね。

 

薬局は特に患者さんのなやみや不安をいかに聞き出すかが重要です。

かかりつけ薬剤師に求められるのは「信頼を築く」こと。

 

「信頼を築く」ために必要なことが、相手の話を聞くことです。

人間力をアップと言われてもピンとこないですよね。

 

人間力を上げて患者さんとの信頼を築く方法が、「相手の話を聞く」こと。

「話はけっこう聞くタイプですよ!服薬指導では数値も聞き取って、処方の変更点も伝えて、変更理由も簡潔に聞き取るし!」

と思った方は要注意です。

 

ここでの「話を聞く」というのは、自分が伝えたいことを考えず相手の話をそのまま聞くという意味です。

 

薬剤師は服薬指導に必要な情報収集を行わないといけないため、特に「どう聞き出して、どう伝えるか」を考えてしまいがち。

うわの空で聴いてる雰囲気というのは相手に伝わります。

信頼を得るには、一度頭をからっぽにして素直に聞くことが大切です。

 

相手の話を真摯に聞いて、信頼を得る「人間力のアップ」です。

 

デール・カーネギー著の「人を動かす」でも同じエピソードがあります。

信用を得るためには、まず相手の話を聞くこと。

ほとんど自分から話をしなかったとしても、相手が興味のある話題を真摯に聞く。

『人を動かす』文庫 Kindle版

 

それにより信用を得ることができるのです。

 

かかりつけ薬剤師として、しっかり同意を取るためには

「薬剤師力」と「人間力」のベースアップは欠かせません。

 

これからのかかりつけ薬剤師はどうあるべきか。【結論=個人の魅力を磨きましょう。】

 

かかりつけ薬剤師の利点は

・長期的に同じ薬剤師が管理することで細やかなサポートができる。
・治療や在宅に関する疑問を病院と地域での連携で解決しやすくなる。
・薬に関係なく、いろんな話ができる。

 

ひとりの患者さんを、ひとりの薬剤師がサポートするからこそ細やかにサポートできる。

 

これがかかりつけ薬剤師の最大のメリットです。

かかりつけ薬剤師はこれからより地域での医療の担い手として活躍が期待されます。

 

厚生労働省は2025年までにすべての薬局をかかりつけ薬局にする」との目標を出しています。

かかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師であることが当たり前になるということ。

2025年にすべての薬局がかかりつけ薬局になってから勉強を始めても遅いのです。

 

今後も薬剤師と活躍できる「かかりつけ薬剤師」になるにはどうすればいいのでしょう。

答えは「個人の魅力を磨く」こと。

その方法を4つ紹介します。

 

薬や医療以外の本を読む。

あなたは月に何冊、本を読みますか?

 

マックス・プランク心理言語学研究所の論文で、

読書により、脳が活性化して認知機能が向上するとの研究結果があります。

 

一般的に薬剤師としての魅力を磨くとなると

薬や業務に関係することをもっと勉強しよう

って発想になることが多いです。

 

でもコミュニケーションには相手の立場を想像する力が不可欠です。

そのため、読書で認知機能を高めて、相手のことをきちんと把握することがコミュニケーション能力の向上につながるのです。

 

かかりつけ薬剤師に必要なのは、「相手の不安をくみとる能力」

 

この能力、つまりコミュニケーション能力を上げるなら読書が一番コスパ高いです。

個人の魅力を磨くためには、まずは読書がオススメです。

 

研修会に参加する。

基幹病院や地域薬剤師会などが開催している研修会は数多くあります。

 

最大のメリットは、

「主催の機関からよく研修に参加する薬剤師として認識される。

 

主催した側はどのくらい集まったか、どんな人が来てくれたかをすごく気にしています。

大きい病院でも注意深く見ています。

 

月に1回参加していくだけでも「〇〇薬局さんはよく来てくれる。」となります。

そうした病院のスタッフの方からの印象は今後連携をしていく上での大きな強みになります。

 

薬局も医療機関との連携を求められる時代。

急に連携したいと電話してもなかなかすすみませんが、普段から小さな信頼を積み重ねれば可能です。

 

他にも

・地域での医療状況を知ることができる。
・最近のガイドラインや治療方針などの知識が増える。
・認定のための単位が手に入る。

などのメリットもあるので、研修会への参加は得るものが多いです。

 

TwitterなどのSNS上で繋がりを作る

あなたは普段どのくらいの人数の人と関わっていますか?

 

普通の薬剤師だと

職場スタッフ 10
プライベート(家族や友人) 15
病院やメーカーの人 20
多くても50人くらい。

この人数では手に入る情報に限りがあります。

 

他の地域の情報や最新の医療ニュースの情報についての考えを聞く機会もありません。

でもかかりつけ薬剤師としての個人の魅力アップのためには、いろんな情報が不可欠。

解決策や伝え方もいろんな情報を知っていた方がサポートしやすいです。

 

Twitterなどでは薬剤師会の役員や独立した薬局経営者とのつながりが簡単にできます。

無理に交流しなくても、いろんな情報が手に入ります。

 

一番役立つのは「こういう患者さんへの対応でこうしたらうまくいった。」などの良い事例に触れられること。

 

あなたがかかりつけ薬剤師として、自分ならどうしたかをシミュレーションきっかけにもなります。

より良いサポートができるかかりつけ薬剤師になるためにも、

 

TwitterなどのSNS上で繋がりを作る」、おすすめです。

(会社情報の漏洩など、発信するときは十分注意してください。)

 

仕事以外の時間を充実させる。

プライベートはきちんと楽しめていますか?

 

最後、薬剤師の仕事に直接関係なさそうですけど、プライベートを楽しめているかは重要です。

日頃の生活があっての仕事。

 

オンオフをきちんと切り替えることでパフォーマンスも上がります。

 

プライベートを楽しんでいると仕事に役立つスキルが身につきます。

仕事では出会いない人との交流や知識が増えることで患者さんとの会話の幅が広がる。

薬剤師としての能力以外のスキルのアップが個人の魅力をあげてくれます。

 

そういった経験が「信頼されるかかりつけ薬剤師」につながっていきます。

 

 

極論ですが、どんな経験でも信頼されるかかりつけ薬剤師になるために役立ちます。

まずは個人としてあなたの魅力を磨いてみてください。

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